ガヤガヤと騒がしい教室。
ガラッと教室に入る先生。
漫画とかだとカラーページだぜ!きっと。
新連載!!みたいに表紙にドドンと載っててよ!
3コマに区切られたカラーページのコマ。
一番上には騒がしい教室風景。
二コマ目には眉と鼻筋と口だけしか描かれていない担任。
最後のコマで転校生が呼ばれる!!
おー、いいねぇ、そんなの!
『転校生を紹介する。おい、入りなさい。』
とかってよ!!教室はいれば女子の黄色い声!おお、最高!!
「…い」
やべ、顔引き締めねぇと。
「おい…」
ん?呼ばれてる??
「おい!!転校生!!入れと言っているだろうが!!!」
や、やべぇ!!
「す、すいません!」
あー、情けねぇ。
あ、でもよ、こんなハプニングがあった方が逆に印象が強くて、ドキッとくる奴いるんじゃね?
「アハハハハハハハハ!!!」
あー…。やっぱそんな上手くはいかねぇ…か。
「君、自己紹介でもしないか。」
あー、もうほっといてくれ。自己紹介なんぞいらんだろ。
「えー、亜二 元(あに はじめ)です。よろしく。」
かったりぃ朝学活がおわって、今オレの周りには野次馬精神たっぷりの少年少女たちが集まって質問三昧。
さっすが転校生☆こうでなくちゃな。
「ねぇ、亜二クンって、特技とかあるの?」
特技…やっぱきたか…。言いたくねぇんだけど。無いって言うのも何だかなぁ。
「言っても信じてくれないよ。」
笑って言うけど引き下がってくれない。どうせ信じねぇくせに。
「オレ、大人以外動物に見えるんだ。これが、特技。
ついでに、今オレに質問してくれた。――…え?ああ。吉谷(よしたに)?――は、犬だな。アメリカン・コッカー・スパニエル。」
あー、クソぉ!やっぱ黙っちまった!信じてねぇんだろ!どうせ!!
ホントだってのに。うわ、ドン引きモード…?
「ぷ」
ぷ?
「ハハハハハハハハハハハ」
あー、そっちか、冗談だと思っていやがる。
「クハハ…そんな、別にないなら無いって言ってくれれば…プ…良いのに…クフフフ」
んー、まぁいっか、これで。引かれないだけましってもんだ。
「亜二ぃ。お前ってあだ名とかあんの?」
オレの席の前にいるアヒルが聞いてきた。
アヒルタイプの人間と相性が合ったためしがない。なんか必ず問題が出るんだよ。こいつら。
「無いよ。学校は大体変わりっぱなしだから、あだ名とか付けてくれる人いなかったし。」
てか、関わりたくねぇだけ。
「じゃー、作ろうゼ!あだ名!待ってろよ、今作ってやる。」
いいのによ、別に。なんか面倒なことになりそうだ…
ってか男子に質問されてもうれしくねぇよ。
ってか女子以外質問しなくていいだろ。むしろ女子しか質問するな。
ていうかオレ女子以外興味ねぇよ。いらねぇよ、うぜぇ男子なんか。
オレの夢はハーレムだぜ?男子なんかいるだけ無駄。
「亜二だろ…?亜二…あに…あんにん!?杏仁!」
ほら見ろ、なんか変な方向になってきた。
「杏仁豆腐ってどうだ!?いや、長いよな。」
言ってねぇ、言ってねぇ。ってか、長い以前にイヤだっての。だからアヒルはいやなんだよ…。
「豆腐でよくね?豆腐!!」
と…!?
「そのまま行けば杏仁じゃん!普通!!」
って、つい口に…。
「いや、豆腐だろ。」
「うん、豆腐だわ。」
皆して豆腐!?可笑しくないかコイツら!?何で豆腐だよ!!
杏仁じゃねぇか!!豆腐全くかんけぇねぇじゃん!!
「いいじゃん、似合ってるよ。亜二君」
いや、似合ってるとかいらねぇし!
「あ、ごめん。間違えた。豆腐!」
「直すなぁぁぁぁ!!謝んないで良いからそのままで呼べ!!」
あ、また口に…。くっそぉ、突っ込み体質か?オレは。
「お前ら何やってんの?ん?ああ、転校生か。」
…!ちょ、え!?何コイツ!!可愛いんだけど!
「君、だれ?」
うぉう!口にでた!今日はよく口が滑るぜ!
「ナナちゃんだよねぇ!」
ナナちゃん?おー、可愛い名前じゃん。
「ちゃん付けで呼ぶなって言ってんだろ!?オレ、南々海 流(ななみ りゅう)ナナちゃんなんて呼ぶなよ?せめて流って呼べ!」
お、いきなり呼び捨て!?ってか、可愛いなぁ、ちゃん付けは恥ずかしいってか?くぅ!好みだぜ!!
――
作者:コイツ今一目惚れ中なんで、何がどうなっても可愛いで通しますつまりは単純馬鹿ですね☆
元:誰が馬鹿だ。
作者:いて!殴るな!!痛い!ホント痛い!!やめて、いたたたたたたた・・・・・・
――
「亜二 元。ナナちゃんって呼ばねぇから、豆腐って呼ぶなよ?元で良いゼ、流。」
「おお。よろしくな、元。」
ナナちゃんって呼ばなかったからか、結構好感触!男っぽい喋りもまた可愛いゼ!!!
で、何でオレがコイツを気に入ったかというと、コイツ、もとい、流が!
人間なんだ!コイツ!!
周り皆動物なのに、こいつだけ!人間!
しかも、可愛い女の子!
運命っしょ?コレって。
「ていうか。何で豆腐なんだ?」
…それ!オレも知りたい!何で?
「杏仁豆腐だから。」
アヒルが笑って答える。
「あー・・・。なら豆腐だな。」
「なんだよそれぇぇぇぇぇ!????」
ここの地域じゃそういうのが流行ってんのか?いや、でもありえねぇだろ!?
ありえねぇありえねぇ!!!
「ただいま。」
今日は疲れた…。まったく、ここらはどうなってんだよ。
なんで豆腐・・・。
「お帰り…って、どうしたの?なんか疲れてるみたいね。」
母ちゃん…。聞いてくれ!そして、ありえないと言ってくれ!
「今日、あだ名付けられてさ…『亜二』からどんなあだ名になったと思う?」
ちょっと考える母ちゃん。
「亜二でしょ?…。杏仁…杏仁豆腐…」
おい…まさか…
「豆腐。かしらね?」
うそだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!????
「なんで、そこで豆腐なんだよ?杏仁じゃん!普通!!」
ちょっと驚く母ちゃん。
「あら、本当にそうだったの?父ちゃんと同じあだ名だよ!よかったねぇ、元。」
よくねぇ!てか父ちゃんもそうだったの!?皆そうなのか?オレがおかしいのかぁ…!???
「父ちゃん、お帰り!!」
帰ってきた!父ちゃんが!きっと、父ちゃんならオレの気持ち分かってくれるよな?
「おお、ただいま。豆腐。」
うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?
なんで!?
「いや、今日さっそく、あだ名付けられたんじゃないかと思ってな。呼んでみたんだ。あたりか?」
アタリだよ…。
「うん。豆腐になった。」
親と同じあだ名なんてなかなか無いよな…。
「お、やったじゃないか!!」
何がだよ。
「って、父ちゃん何処行くの?」
リビングにも寝室にも行かないで、そのまま行くのは仏壇のある畳部屋。
チーンと、音が鳴る。なんだ?貰ったものでもお供えしてんのか?
「親父!聞いてくれ!!元もあだ名が豆腐になったぞ!我が家の伝統は守られたぞ!親父…!!」
で、電灯…!?
いや、間違えた。
伝統…!?
オレ、初めてかもしれねぇ…こんだけこの家に生まれたのを恥に思ったの。
「元、おはよう。」
「おはよう流…。」
あー、流がいなかったら学校なんかフケてやるのに…。
「どうした?元気ないぜ?」
Oh!! My angel!!
あー、やっぱ流は可愛い。告るか?いや、早すぎるよな。もっと時間を置いて、もっと仲良くなってから…だよな。父ちゃんもここには長くいるって言ってたことだしな。
「いや、ちょっと疲れて…」
「転校ってそんなに疲れるのか?オレずっとここだからわかんねぇんだけど。」
おー、話が!話が進むぜ!!!あー、神はオレを見放してなかった…って、ことか!?神さんありがとー!!
「そういえばさ、元。お前、大人以外動物に見えるって言ってたよな。」
…。か、神様…。神さんだなんて罰当たりな呼び方しねぇから、見放さないで…。
「まぁ、な…」
あー、あいまいな返事しか出来ねぇ!
「じゃぁさ、もしかして、貝野ってアヒルとか?」
え、流…?
「ああ。貝野はアヒル…。」
もしかして、信じてくれてる…?
「し、信じてくれんの?」
頼むからオレを笑い飛ばしたりしないでくれ!!
「元は嘘付くヤツじゃねぇよ。ちょっとしか話してねぇけど、そんくらいは分かるつもりだぜ?」
神様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!ああ、神よ!我に御慈悲を有難う!いや、慈悲とかって意味不明だけど、とにかくありがとーございます!!!
「…もしかして、嘘だった?」
「いや!!本当!!!嘘言ってない!」
神様ありがとう…いや、流だ。流が神様に見えるぜ…。
「あ、オレが何の動物かは言わないで。なんか、変なのだったら嫌だし。」
「分かった。安心しろよ。流は変な動物じゃねぇよ。」
ってか寧ろ動物ですらねぇし。
「本当か?よかった…。微妙に気になってたんだ。実は。」
そういって歯を見せて苦笑するその姿はまさに女神だ!!
あー、てめぇら文章で残念だったな。こんなに可愛い流が見れねぇんだからよぉ!
まぁ、もっとも、世界中の人間全部かき集めても流の可愛さを表現できるやつなんか何処にもいねぇけどな!
ふぅ、授業かったりぃ…。やっと帰れるぜ。しかも明日から休み!
「元!一緒に帰ろうぜ!」
くぁあ!!!女神☆降臨!
「そういえばさ、学校変わりまくりって聞いたけど、転校多いの?」
「ああ、短い時は1週間もいねぇぜ?」
まぁ、人付き合い、嫌いなオレとしては助かるけど。なんていったら流はそんなもんか、ってさ。
ああ、そんなもんさ。
「ここには、どんくらい?」
どれ位だろ・・・。長くって言っても、そんなに長くいた覚えは無いし…。
「あ…と、まぁ、父ちゃんは…長くいるって言ってたぜ?」
曖昧。JUST 曖昧。
「そか。わかんねぇよな。」
オレの嘘、そんな下手か?
「気にすんなよ。そだ、アド交換しようぜ。」
ア、ドレス交換…!!!
メール、それは二人の愛をより深める…
メール、それは愛の告白の手段…
っま、まま、マジで?
――
出たがり作者:まぁ、コイツ馬鹿だから。
元:消えろ出たがり。
やろうと思えば元の存在なんぞ簡単に消せる作者:消えろ元。
元:オレが消えればまた書き直しだぜ?
なんかもう遼なんか、遼なんかぁ!な作者:くそぉ!!
――
「おし。終了!っと、オレここだから、じゃな!」
ああ、さようなら女神…。
「じゃぁな。」
夕日の中で手を振るオレ、最高にカッコいい…。
「あ、元!映画見に行かねぇか?面白そうなのがあるんだ!」
・ ・・・・、でぇと?え?うそぉん。マジの助??
「おう!!じゃぁ、明日な!!!」
明日まで、あと6時間、待ち合わせまであと17時間か…。くうぅ!!待ち遠しいぜ!!
「元、話がある。すまんな、今回ももしかしたらあんまり長くいれないかもしれん。せっかくあだ名が付いたのにな…。」
いや、あだ名はどうでもいい。って、え?
「じゃぁ、もしかしたら…」
「ああ。いつ転校するか分からん。一週間、いや二週間後か、あるいは二日後か…。」
そん、な・・・。せっかく、流と・・・。
「どうした?」
おっと!いけねぇ!今はデェトの最中だ!!
「なんでもねぇ!ところで何見るんだ?」
なんでもなくはないけどな。
「おう!バラの秘密ってんだ。」
バラの秘密?それってクソ作者の…
宣伝に使いやがって…どうせバラの秘密知らねぇヤツはこの小説も見ねぇし知らねぇっつの。
『バラ公園とは、バラを使った料理店などがたくさんある町の中心部にある公園だ。カップルに人気がある。』
是非とも行きてぇ。
『瑞は、バラ星雲、黒真珠の出身者よ。』
なっ!?マ、マジかよ!?
「あー!疲れた!!」
何がって映画はともかく手を重ねようとして上手くいかなかったことだよ。
例えば
手を重ねようとしたら流が肘ついてた。
手を重ねようとしたら咳払いが聞こえた。
手を重ねようとしたら汗かいてることに気付いた。
等々。くそ!!!
「なんっか、すげぇひねくり回したような映画だったな。」
オレが言うとそうだなと流が笑う。
かわいい…けど、もしかしたら明日には会えないかもしれない…。
「なぁ、流。もしオレが明日引っ越したらどうする?」
オレの質問に驚いたようにこっちを見る。…やっぱり、キレイな顔だよなぁ。
「引っ越すのか?」
いつかは分かんねぇ、って言ったらそうかといって続ける。
「どうするって言われてもなぁ…。そりゃ、寂しいけど…。どうも出来ねぇし…」
そう、だよな。そんなこと言っても困るよな…。
「じゃぁ、10年後に学校で会わねぇか?もしすぐ引っ越したら。10年後には人間のオレに会えるぜぇ!」
…。はっ!ははは!!流にはかなわねぇや・・・。
「おし!10年後な!10年後の11月3日!文化の日なっ!!」
オレはその5日後、転校した…。
そう、それは昔の話、今はあのときから10年後の11月3日。
流に会える日だ!!!
「元か?」
…!その声…。
「流!?」
…!?????
「久々だなぁ!覚えてたんだな、約束。すっぽかされたらどうしようかと思ったぜ?」
・・・・・・・・・!!!????
「流?」
目の前の流と思しき人物は二カっと笑う。
「ああ。動物のオレと人間のオレ、そんなに違うか?」
ああ、違いすぎるくらいだ・・・。
・・・・・・。
これで満足か、作者…。
まさか流が『人間の女』という『動物』に見えてたなんて・・・。
本当は…
オレと同じモンがツイてやがる
男だったなんてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
はい。読んでくださって有難うございました。
須桐遼様からのリクエスト、学園ギャグ。
リクエストセリフ「お前ら何やってんの?」
学園からかけ離れてしまった後半。
なぜかって?無理矢理終わらせたからサ☆
ハイ、流は男の子です。人間も動物のうち、つまり人間と言う動物に見えていたわけでやんすな。
ごめん、遼。これで許してww
300hit有難うございました!(い・ま・さ・らw
てか作者ぁ!!!メンドクサイからって途中展開猛スピードにするなぁ!!!! By元。
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